定年後を楽しく トップ自転車で東海道トップ

東海道、自転車の旅

~千葉から京都・三条大橋へ~

東海道をゆく

三日目

 朝は雨模様、のち上がる。箱根湯本へ向かう国道1号は大渋滞。三枚橋で渋滞と別れ、箱根の山への旧道に入る。いきなり急坂、何々坂と名が付く坂はさすがにキツイ。芦ノ湖までの9割は押して上る。箱根峠からほぼノンストップで三島まで下ってしまった。三島大社で京への旅の無事をお願いする。沼津泊まり。

 
小田原→箱根→三島→沼津:37km

箱根まで16.5km

 朝、小雨の中をビジネスホテルを出て、JR小田原駅の駐輪場へ自転車を受け取りに行く。ついでにコンビニへ。
 自転車を宿の(館内に)預かる処は無い。静岡では市営の駐輪場まで200mもあった。今回の旅で、豊橋の都市ホテルが唯一の例外で、館内に入れてくれる。毎朝、自転車を確かめるまで不安であった。
 小田原を発つ コンビニのおにぎりを腹に入れ、雨に濡れた自転車を拭き、荷物を積むなどで、出たのが8時になっていた。合羽を着ようかと迷う。面倒なのでウインドブレーカーだけにする。
 ここ小田原で泊まってみたかった古い旅館「古清水」や本陣跡などを見る予定を、パラつく小雨のため無視して先を急ぐ。お城の公園を回り国道1号線に出て小田急の箱根湯本駅を目指す。JR東海道線の下を過ぎた所から道路が渋滞。自転車は路側を走れるので助かる。長い車列が箱根湯本駅の方へと続く。事故なのか原因は分からず。何時しかパラついていた雨が上がっていた。

 車道から横へ石畳の旧道が延びている。芦ノ湖への上り坂(東坂)で7か所の石畳が残っているという。

旧道に入る 早川に架かる三枚橋を渡って旧東海道に入る。いきなり急坂で自転車を押し車道を上る。小田原と芦ノ湖畔までは、徒歩で約4時間という。覚悟しているがシンドイ。畑宿までは何とか元気に押して行くが、その先の急坂には音を上げる。坂に名称があり「猿すべり坂」などと付いている。七曲りのカーブでは目の前に道路が迫る。荷を積んだ自転車を押し上げるのには体力がいる。やや平坦な道になり甘酒茶屋に救われ甘酒とお餅を頼む。1時間ほど休憩。

 甘酒茶屋で甘酒と杵つきの力持ちをいただく。たっぷりしたお餅は腹持ちする。擦りごまがかっている

 茶屋に次々とお客さんがやってくるのには少々驚く。さすが観光地の箱根だ。平日なのに車でやってくる人や石畳の旧道を歩く中高年などのグループだ。
 この旧道を歩く人が結構いた。会社の研修で若手社員が木立のなかへの細い旧道へと歩いて行く。バスを仕立て車道から旧道への出入り口の要所で、社員をチェックしていた。また私立高校の生徒の団体がグループごとに上っている。
 旧道は寸断されているが、車道の1号とほぼ並行し入り組みながら上っている。

      

 会社の研修で旧道を上るグループ

芦ノ湖畔へ 自転車は石畳の旧道へ行けない。もっぱら車道を押してゆく。ほゞ90%近く車道を押し上る。昼前の11時40分、坂が終わり下って杉並木を過ぎ元箱根に到着。関所の先にある湖畔の店で昼飯・休憩する。関所の御番所は5年前に見学したのでここはパスする。芦ノ湖からの遠景は、はかすんでいる。
 昼食を済ませ出発。目の前にある最後の上り、箱根峠(標高849m)へ。

 割石坂の標示。曽我兄弟が刀の切れ味を石を割ってためした仇討にまつわる伝説がある。旧道が山道へ続く

畑宿まで700m、湯本から5.3kmの旧道の案内

畑宿は寄木細工の里。本陣茗荷屋跡の碑

畑宿のはずれに旧道の石畳。この先に一里塚の案内

 甘酒茶屋。湯本と関所の間は東坂と呼ばれ、この東坂に茶屋は9軒あったという。現在はこの茶屋のみと

 箱根旧街道が車道の横から木立のなかへつづいている。高校生の一団が石畳の道を芦ノ湖へ上って行く。

 箱根関所の入場口。江戸時代の元和5年(1619年)に箱根関所は設置されたとされるが、それ以前の慶長年間にすでに設けられていたとの説が最近のものだという。「出女」が調べの重点だったそうです。箱根宿は本陣6、脇本陣1、旅籠36軒と、本陣の数では街道で最大であったといいます。本御番所が再建されたのは昭和40年のこと。

三島 沼津まで20.5km

 「箱根西坂」をくだる 箱根峠から三島へのくだり坂を箱根西坂と呼んでいます。箱根8里は、この西坂と東坂を合わせ小田原から三島の宿までの間、32㎞をいっています。自転車を押して坂を登ったが、昔の人の箱根越えは、車道を歩くのと違って山道を上る。その大変さ、苦労が実感された。
 坂をくだる途中、ふと見ると雲が切れた間から富士山がチラリと見え、駿河の国に入ったのだな、とうれしくなりました。以後、富士の山頂を見ることが出来ませんでした。すそ野はずっと続き、静岡県内を進む間、ついてきました。
 下りは楽しい。三島の街が眼下に、伊豆半島、駿河の海が見え、眺めはすばらしい。だがスピードがでる、トラックが迫る、じっくりとは眺めてはいられない。ゆっくり下ろう、との思いとは違って、快適さに止まることを制止できず下ってしまった。あとで山中城址などへ寄っみればよかったと後悔する。

 三島大社 伊豆国一の宮として参詣の人が絶えない三島大社は、また源頼朝が源氏の再興を祈願したことで有名です。箱根の山を無事乗り越えられたことのお礼と、これからの旅の無事をお願いする。境内で人垣があり、近くに行くと大きなキンモクセイがあった。説明を見ると千二百年の樹齢に納得。わが庭にかつてあったものとは桁が違う。

 静岡県に入ると東海道筋に宿場までの距離を示している案内がある

 沼津へ向かう 途中、立派な一里塚に出会う。進行方向(西)の左にお椀を伏せた様なかわいらしい小山に榎が一本植えられている。道の向かいには、寺の庭の一部と間違えそうな植え木の中に碑が建てられ一里塚だとわかる。こちらが従来の一里塚で、お椀の小山は復元されたものだそうだ。
 沼津駅前へ3時半に着く。まだ時間が早くこの先へ進むことが出来たが、宿をとり早めに休息とした。

三島への国道1号線を下る途中で見た富士山

三島市内に入り三島大社前に三島大社で旅の無事をお願いする

こんもりした一里塚が宝池寺の山門前に築かれている

    

街道の両側に一里塚、こちらは玉井寺のもの