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敦煌をたずねてその3(9の内)


3日目  11月12日(月曜日)

嘉峪関から赤金を経由し玉門市(鎮)

スナップ

トピックス

 自転車店を探し修理

 昨日、メンバーのMさんの自転車が組み立てでトラブルになる。外したペダルをセットするときに逆にねじ込みにっちもさっちもいかなくなる。
 朝は夜明けが遅く8時を過ぎないと明るくならないので、9時過ぎにホテルを出て街中をマイクロバスが走り回り、自転車屋さんを探す。
 自転車大国の中国は、自転車屋さん(写真)が米国、仏国、英国、伊国の自転車と部品を揃えていたのにびっくり。
 修理に手間取りペダルの取替えを済ませ、出発の態勢が11時に整う。
自転車屋さんで
自転車を扱う店が4、5店ほど軒を連ねている(嘉峪関市で)
 巨大な風車が林立

 中国では、急速な経済発展に伴い電力増強も進められており、玉門鎮へ向かう国道312号線途中の両サイドは、風力発電用の巨大な風車が林立していた。日本の企業も参加していたという。
 まだ、電力事情は良くない。地方都市では、夜が暗くて、ホテルも節電しており、廊下や部屋も必要最小限の電灯しか点けられていなかった。
 嘉峪関城を望む国道312号から走り始める。

 自転車で、いよいよ走り始める。
 この国道312号は、世界一長い道路だ、といわれている。上海〜ウルムチまで続く。
 国道からはずれ地方道に入ると、すぐに前に着いていけなくなり離される。先頭と500m近くの距離が開く。脚力の差と経験がでるのか、タイヤの空気圧が適正でなく低いのでシンドイのか。へばったところで休憩と昼飯の時間になる。
 砂漠の中を立派に整備された地方道が続いた。マイクロバスは、われわれのために伴走してくれ、道路脇に止めたこの中で、お昼の弁当をパクつく。
 ホテルの朝食はバイキング方式。旅行社から渡されたタッパウエアへ昼食用に好きなものを詰めるように言われ、これがお弁当。ペットボトルの水とバナナが配られる。
風力発電の風車
国道312号線の両サイドは風力発電用の風車が林立し壮観である(玉門鎮で)
 風力発電量は中国がナンバーワン

 世界の風力発電設備の容量を世界風力エネルギー協会が発表している。2009年の1年間で1億5790万キロワットだという。この1年間に増加した発電量のランク付けを行っているがナンバーワンは、中国で1300万キロワット、全体の34.7%。次いで、アメリカの992万キロワットの26.5%で、この2国で全体の6割を占めている。
 日本は18位で、わずか7万8千キロワットに過ぎない。
 この数字からも中国が電力の確保を急ぎ整備を進めているかがわかる。広大な土地があり、風を利用できる適地があることも容易に促進できる条件が揃っている。
 玉門市は石油工場の基地

 バスで移動。玉門市に向かう。途中、玉門老市区(玉門東市)の石油工場前で、車は止まる。かつての玉門関は、この西の方だとの説明。いまはダムでせき止められた水の中だという。30メートルほどの崖下は、渓谷になっていて今は使われなくなった道と橋が見え痩せた川が流れている。石油川という名がついている。
 ここから再び自転車で走ることになる。
 下り坂で走りやすいというが一部分だけのようでシンドイ走行がつづく。ポプラ並木が道路の左右につづく村落が、やがて賑やかな街に入り車も多くなってくる。ヘロヘロになって赤金という地名のところで、今日の走りは終了。
 地方道を走っていると、綿を満載したトラックを良く見かける。
 綿が車からこぼれ落ち、ポプラや低木に引っかかり白い花が咲いているようにも見える。綿ロードになっている。
 また、羊が畑地や群れをなして道路を横切って移動している風景にぶつかる。ロバもよく見かけ、のんびりと働いているのは牧歌的だ。
 こうした風景を見ながら走れることがなんだかうれしい。
 玉門鎮に入り5時過ぎ玉門賓館というホテルに入る。
ヤルダン風景
ヤルダン(上のデコボコ)を見るための駐車場。が、実態は臨時トイレの様相になっていた
 急ピッチで高速道路を整備

 この高速道路だが、われわれが訪れたオリンピック前年の2007年は、インフラ整備が中国各地で急ピッチに進められた。よく「この道路は今年の春に完成した」とか「昨年の秋に完成した」などと現地のガイドが説明していた。
 車が少ないためか、道路沿いの整備は追いついていない、ガソリンスタンドはなく、トイレなどの完備された休憩所的なものも無い。が準備は進んでいた。
 路肩を少し広げ駐車できるスペースが設けられたところがある。砂漠の中にヤルダンといわれ、風で浸食された土塊が広く地面を覆っている地域がある。
 この風景を見るため駐車できるところが作られている。なんと、そこは、臨時のトイレのようになっていた。路肩から外れた陰になった地面は、乾燥したウンコとティッシュがあちらこちらに散乱し、風で紙がヒラヒラしていた。