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飛鳥の里をぶらり自転車で

 日本の古代の歴史に登場する人物名や地名が、その辺に転がっている感のある飛鳥の里を訪ねてみました。
 
 法隆寺を訪ねた翌日、2009年4月の温かく、よく晴れた日でした。近鉄の飛鳥駅に降り立ち、お土産屋さんと軒を連ねるレンタルサイクル店が目に入り、カミサンと私の2台を借りました。事前に回る場所を考えてはいましたが、明日香村のコースマップを手渡され、その地図を頼りに自転車で廻ることにしての出発です。

 すぐに、欽明天皇陵に到着しました。全長140m、周りに堀で囲まれた前方後円墳で約1440年前に造られた天皇陵です。目の前に吉備姫王墓があり、猿石と呼ばれる石造物が木々の中の狭い囲みに鎮座していました。

 台地に上る坂の途中に「鬼の雪隠」「鬼の俎板」がありました。こうした石造物が、道々、出てきます。なぜだか正体不明の感はありますが、古代では意味を持って造られ、置かれたのでしょう。そして写真でよく目にする巨石の「石舞台古墳」は、重機もない古代によく組み上げられたな、と感心しました。復元された石棺の中のおおきさに驚きます。

 奇妙な石造物を巡って行くだけでも楽しいもので、古代人の自然崇拝、神仙思想などを考えてしまいます。

 また、由緒のある数々の古い社寺に昔の人々の信仰の篤さをおもいます。飛鳥寺は、日本書紀によると588年に発願され、596年に創建された最初の本格寺院で規模も南北290m、東西250mと壮大な伽藍であったということです。1196年に焼失し2度の再建の後に現在のこじんまりした飛鳥寺(安居院)となっています。また、寺の宝である本尊の飛鳥大仏(高さ3m)は日本最古の609年造とされています。

 明日香村のぶらり散歩を今回は、自転車でしましたが、橿原市にかけての万葉の里も足を延ばしてみたかった。

飛鳥駅前ひろば。レンタルサイクル屋さんが3店も

吾々の他に自転車で回る人も結構いる

猿石、僧侶、男、女の4体が吉備姫王の墓前に並ぶ

欽明天皇陵は周濠で前方後円墳が守られている

鬼の雪隠と呼ばれる石造物。古墳の蓋石という

鬼の俎(まな)板というが、古墳の底とされたようだ

正体不明の亀石は謎だ

橘寺は聖徳太子誕生の地、太子創建七寺のひとつ

飛鳥寺は蘇我馬子が建立したわが国初の大寺院

酒船石と呼ばれ、平成4年に発見された石造物

亀形石造物で祭祀に関わる遺跡らしい

石舞台古墳は巨石を積み上げた石室といわれる

高松塚古墳は彩色壁画が1972年に発見された
 奈良県内の歴史に触れる散歩をしてみたい、というのであれば…。

 インターネットで情報をほとんど手に入れることができますが、奈良県内を走る近鉄沿線は、どこも古代の歴史がそこ、ここに転がっている感があり、情報も近鉄がコンパクトにまとめたモノを提供しています。

 近鉄橿原神宮前駅および飛鳥駅がその拠点になっているようです。

 市町村の観光協会も駅前や名所に置かれ、情報や資料が提供されています。やはり内容があり、役立ちます。お手軽に、準備もなく出かけても、駅でパンフをもらえば、ぶらりと散歩できます。

 飛鳥周遊のモデルコースは多岐にわたり、「万葉」「石造遺跡」「古墳」など8コースもあり、歩いて1時間半から約3時間のコースが紹介されています。

 レンタルサイクル店も多く、地図をもらって自分好みのコースを走れば、楽しいでしょう。自転車は電動も50CCのバイクもあります。