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御厨人窟からの眺め
室戸岬の24番最御崎寺下の海岸に空海が修行した御厨人窟(みくろど)があり中から太平洋を望む
ロープウエイに乗せた自転車
21番太龍寺へのロープウエーに乗車し標高600mに一気に上る
牛鬼山車をひく
宇和島市に入る手前の保田地区で牛鬼の山車に出会う。伊予路は秋祭りの真っ最中で各地で祭りを見る
五百羅漢の群像
五百羅漢像が並ぶ66番の雲辺寺は標高911mの山頂にある。霊場の内で最も高いところにある
巡礼日記その3 スナップ トピックス
 ◎空海の生まれ故郷
香川県の75番札所善通寺は、空海の生まれ故郷です。父親の佐伯善通が寺を建立する空海へ土地を喜捨しました。約千二百年前のことで父の名から命名された寺です。
 ここを訪れた時、本で読み、知っていたつもりですが、驚きました。圧倒されたというのが本音でしょう。まるで、お寺ワールドというような規模で、これまで回ってきた寺とは、スケールが違います。
 境内は、唐の青龍寺に伽藍を模したといわれています。東院・西院と境内を分けて呼んでいますが、最初はどこに行けばよいのか混乱するほどの広さがあります。寺の広さ(45万平方)ばかりでなく門前の街もこの寺に依存しているようで、遍路宿や店々も訪れる参拝客向けになっています。
 料金徴収ゲートがある駐車場の広さに、全国から参拝客が引きも切らないことが伺えます。東院の美しい姿の五重の塔(高さ45メートル)がある境内は広く、樹齢を重ねた1200年の大木が歴史を感じます。
善通寺の五十塔
遍路宿から善通寺の五重の塔
善通寺の大楠
善通寺の歴史を感じる楠木の巨木
 お寺もさまざま
 八十八カ所には、こうした大寺ではなく質素で荒れたように感じる寺もあります。
 寺の由来のフジが五月に美しいという11番の藤井寺は、奥深い山を後ろに控え、狭い境内と、周囲の畑の様子から、うらぶれた印象を受けました。 戦国時代の消失と再興で2度にわたる火災に遭ったそうです。
 この寺から山登りで、次の12番焼山寺への遍路道は、最初の遍路ころがし(難所)として有名です。
◎コレクターにつかまる
 自転車にとって上り坂はつらい。今日も何度かの峠越えで、宇和島市から宇和町への歯長峠を1時間かけて押して上る。
 下りは、あっという間に距離を稼げ、宇和町の43番の明石寺へ向う。
 参拝を済ませ、何か腹に入れようと、交差点にあったうどん屋さんへ入る。
 お昼はとっくに過ぎ店内は私だけ。先ほどから柔和な顔の爺さんがチラチラと、うどんを啜るこちらの爺さん(私)を伺っている。
 食べ終わると、近づいてきて「ジャイアント馬場のチャンピオンベルトを見るかね」という。
 意味がつかめない。そこで饒舌な話がはじまる。仲間同士で雑談していた従業員のおばちゃんらが、アミにかかるかなとニヤニヤし私をみている。言われるまま、奥の事務所について行く。
 彼はこのうどん屋の社長のようで、どうも来る人来る人に自慢の品々を披露しているらしい、と推察できた。
桂浜の龍馬像
桂浜の坂本竜馬像の前で記念撮影
うどん屋のオーナー
「うどん処宇和の里」池田オーナー
 尽きない話
 8畳ほどの部屋にはソファー・机の事務用品の他は、記念品だろうと思われる品々とポスター・記念写真・色紙が周囲に雑然と置かれ壁を飾っている。
 私をソファーに座らせ、チャンピオンベルトを持たせ、写真を取ってやるからカメラを出せという。
 テレビ番組の「なんでも鑑定団」に出てこのベルトは300万円に鑑定されたこと、数々のプロレスラーが写されたアルバムを開きながらの解説、相撲の東関の引退式で両国まで行った話しなどなど次々と尽きない。
 さあ、どうしてここから退散しょうか。
志度寺の五重塔
86番札所志度寺の五重塔
◎結願からお礼参り
 大窪寺(88番)を打ち終わり、結願したのは23日目です。
 歩きの皆さんは、感慨深いものがあるでしょう。私もあるかな、と思っていましたが「到着したか」という思いだけでした。
 距離は、歩きでは約1200キロ、車では約1400キロといっています。自転車も車並みでしょうから、その程度の距離を走りきったようです。山は直登できませんので、大回りになります。しかし、数か所はズルをしてロープウエーを使いました。
 次は、「お礼参り」に1番の霊山寺へ約44キロです。大きく輪を描く曼荼羅を完成するために最初に戻る、ためです。そのようなことはやらなくてもよい、という方(説)もいます。
 が、まだ余裕と時間があるので走ります。そして真言の大本山である高野山の弘法さまへ御報告。これはまだ実現していません。そのうちにと、思っています。
弘法大師像
弘法大師像はほとんどのお寺に鎮座されています。そのお姿も千差万別です。35番清滝寺のかわいい弘法さま
大窪寺の山門
88番大窪寺にたどり着く。結願の日
 最初に戻る
 一番札所の霊山寺は相変わらずの賑わいです。
 無事に霊山寺に戻ってこられたことを、弘法さまにお礼を申し上げました。
 八十八か所のお参りでは、ご先祖様への感謝と現世の家族の健康を祈りましたが、とくに信仰心もなく、能天気に、スポーツ感覚で四国を走りましたので、終わったというのが感想です。
 翌日の昼、徳島港からフェリーに乗り19時間後、東京港に午前6時前に到着しました。
 再び自転車で千葉の自宅へ走ります。
 カミさんが迎えてくれ、1400キロの旅は終わりました。
徳島港のフェリー徳島から晴海まで19時間の船旅