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四国八十八箇所を自転車でめぐる

 はじめに
 お遍路さんは、四国の八十八カ所が有名ですが、各地にこうした巡礼地があります。北海道でも八十八カ所が近年設けられたそうで、一番新しいとのことです。九州でも八十八カ所があり、このほか、坂東三十三カ所、西国三十三カ所などは、皆さんもご存じのことと思います。
 私が四国八十八箇所の霊場を巡ってみようと、思ったのは1200年以上の歴史と伝統があり、弘法大師でよく知られているからです。特に信仰心があってお遍路を考えたわけではありません。
 定年後の衰える肉体を少しでも現状維持していきたい、また怠惰な毎日を過ごさないためには、変化が欲しいと思いました。歩きで廻ることを考えましたが、年金生活者には費用が掛かりすぎます。肉体を使い安くあげるには自転車で、と決めました。何しろ費用は歩きの半分ですから。
 行程と日程
2008年10月1日から26日まで
1日:千葉を出て、夕方、徳島駅前のビジネスホテルに入る
2日:1番札所・霊前寺から5番札所
3日:6番から11番札所
4日:12番札所・焼山寺のみ
5日:13番〜17番札所
6日:18番〜22番札所
7日:23番札所・薬王寺のみ
8日:24番〜27番札所
9日:28番〜32番札所
10日:33番〜36番札所
11日:37番札所・岩本寺のみ
12日:移動日・足摺岬へ向かう
13日:38番〜39番札所
14日:40番札所・観自在寺のみ
15日:41番〜43番札所
16日:45番札所・岩屋寺のみ
17日:44番〜51番札所
18日:52番〜57番札所
19日:58番〜64番札所
20日:65番〜66番札所
21日:67番〜75番札所
22日:76番〜82番札所
23日:83番〜86番札所
24日:87番〜88番札所〜1番札所に戻る
25日:午前11時半徳島港をフェリーで発つ
26日:午前6時前に東京港着岸、下船後、走り始め帰宅。


道々のスナップ

四国三郎橋
吉野川に掛かる四国三郎橋を渡る
切畑川島橋
切幡川島橋を渡り藤井寺に向かう
事故にあった動物
焼山寺への鮎喰川沿いで死骸が
タヌキの死がい
小さなタヌキだ。交通事故死か。
巡礼日記その1 スナップ トピックス
 ◎多い歩き遍路に驚き
 快晴の秋空が広がる吉野川にかかる橋からは、360度を見渡せます。キラキラ光る吉野川と前方にこれから向かう四国の山並み、後ろには先ほど出発した徳島の市街地。いよいよ四国をまわるのだ、と実感しワクワクします。
 3日前、自転車を徳島駅前のビジネスホテルへ送り、昨日、千葉を出て、その夕方、宿に入りました。今朝、組み立て後、走り始めたところです。
 お昼前、約13キロほどで霊山寺に到着です。遍路用品を揃え、昼飯を済ませ、いざ出発。なんだか慌ただしく礼拝作法もおろそかに、2番札所を目指します。番外霊場は回らない、と決めているのでその日は、6カ所の札所を巡り、宿坊へ泊まりました。
1番札所一番札所の霊山寺のお遍路さん  霊山寺の賑わい
 1番札所の賑わいは、お遍路への関心が高いことが窺えます。大・小型バスが次々と駐車場へ入り、納経所を兼ねた売店は人で混雑し、団体の人、自家用車での人、歩きの人などが右往左往しています。起点の寺ですから落ち着きませんが、その後もこの賑わいを各寺で見ることになりました。
 それにしても歩きの遍路さんが沢山いるのには驚きです。遍路本を見ていると、年間3000人の歩き遍路(通し打ち)があると出ていました(2002年か?)。今は確実に10000人台に迫っているのではないかと思い、遍路宿でそのことを話してみますと「1万人に達している」と言う方もいて実感しました。その後、調べてみますと、通し打ちの方は、年間4000人ほどのようです。(09年秋で)
 ◎参拝とお経は…
 巡礼してゆくわけですから、礼儀・作法として
弘法さまに対し失礼のないようにしなければなりません。山門では一礼し、手水場では手を洗い、口をゆすぎ清め、本堂では収め札を納め、ロウソクを灯し、線香をあげ、お賽銭を上げ、お経を読む一連の作法があります。本堂でのお経を済ませ、続いて大師堂でも収め札、燈明、線香をあげるという流れを繰り返します。
 お参りが済み納経所で、本尊名の墨書き・朱印をいただきます。
 これらのルーチン(?)をキチンと実行したか、と問われると弘法大師様に失礼も多々あったと反省をしています。世俗の垢にまみれた身には落ち着いた行動はできません。
山道の遍路道
お寺は山間部。歩きお遍路さんは山道を
 般若心経を88回掛ける2回唱える
 お経は、少なくとも「般若心経」と、そのお寺の「御本尊真言」、「御宝号」は読んでください、というアドバイスを受けこれは実行しました。
 売店で四国霊場用の経本を入手できます。般若心経や御本尊真言など一連のお経が書かれています。はじめは、声を出して読むのを照れ、また、スラスラ読めません。
 行く先々のお寺では2回唱え、これを88回繰り返します。後半は堂々と声を出し唱えることが出来ます。お経には、すべて振り仮名がありますから大丈夫です。
 ベテランのお遍路さんは高らかに唱えますが、中にはすごいスピードで唱える方もあり圧倒されます。弘法さまは、ありがたいのでしょうか。
 ◎気になるお遍路さん
 自転車で遍路の方もかなりの数を見かけます。中には普通のママチャリに荷物を前後に積んで、生活感が滲み出ている雰囲気の方もおられます。この持ち主の年齢は、70歳超かと思われる男性の方でした。順打ち・逆打ちで何度も回っているそうで、それも野宿が多いと言っていました。こうした荷を満載し、野宿でまわる方を度々見かけました。
 室戸岬へ向かう道(83キロ)と、足摺岬への道(87キロ)は寺間の距離が長くて、歩き遍路さんにとっては、大変な思いをします。これに次いで長いのは43番札所(明石寺)と44番札所(大寶寺)の間で、約72キロ強です。この44番札所20キロ手前の山間部で、母親と娘の連れに出会いました。
 
遍路道標識
遍路道には歴史を感じさせる標識が各所に
 自転車で巡る親子のお遍路さん
 このお二人はタイヤサイズ18インチと思われる折りたたみ自転車でトンネルの車道を堂々と走る姿が後方から見えていたのですが、そのうち見えません。
 川が合流し、道が分岐する地点で地図を確認していると、その親子が追いついてきました。
 いつの間にか追い抜いていたようで、どの道を行ったらいいか、と聞かれる。大阪からの方で、高校生と思える娘さんと遍路をしているという。道々、次の寺までの行きかたを聞きながら進んでいるが、昨日は道を間違え15キロもロスをしたとのこと。
 事情があり、お母さんが娘さんを連れ出したようで、母親の偉大さに感心です。