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 湧水のある風景
 水辺のスナップ#1
  スナップ#2
  スナップ#3
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湧水のある風景

 かつて田んぼへ水を送り出してきた井戸が、休耕田の増加や農業用水路の整備で役目を終え、少なくなっているようです。ポンプでくみ上げている井戸は各地にあり、まれに自噴して今も水を送り出す自己主張している井戸もあるようです。散歩の途中に役目を終えた自噴井戸を見かけました。こうした自噴している井戸や湧水のある風景に出会う機会がありましたら取り上げてみたいと思います。

◆ホタルの里にある自噴井戸

 市原市と千葉市の境を流れる村田川の右岸で、土手の脇に自噴井戸があり水神様としてまつられていました。赤いミニ鳥居につられて近づくと水がこんこんとわき出ている風景が見られます。説明によると自噴井戸とのこと。

 市原市の「ちはら台」という大規模な住宅地の台地南麓に水神様が祭られています。説明板では、昭和10年頃、上総掘りで田んぼへの用水に地下100mまで竹桶で掘られ、湧出量は毎分20~50L、水温は14~16℃とあります。この井戸のある周辺を「まきぞの自然公園」として整備されています。

 地元の方々が草刈や花々を植える活動をし、秋には土手にコスモスの列ができます。小さな手作りの水神様の社が湧き出す水の側に置かれていました。そこには「川焼水神」と銘が入っていす。ここから100mほど東の台地の上に「川焼不動尊」という社があり、関連があるのでしょう。 

自噴井のある「ほたるの里」の場所

◆住所:千葉県市原市ちはら台南2丁目


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◆都川水の里公園にある自噴井「太郎」

 千葉市を流れる都川の本流が支流都川と合流するところに「都川水の里」という公園がつくられています。
 そばに高速京葉道路と千葉東金道路の「千葉東」ジャンクションがあり、開けているのでよく見えます。この公園に自噴井があり湧出量を誇っています。
 千葉市内において自噴の水量が最大だそうで毎分170リットルと記述されています。
 この井戸には名前があります。「太郎」という愛称で、地元の方が呼んでいるとのことです。
 このエリアに他にもこうした自噴水が5か所ほどあるとのことですが、現在は、田んぼへの水供給の役目を終え、消えゆく存在になっています。

自噴井「太郎」のある場所(地図)

◆住所:千葉県千葉市中央区星久喜町


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◆熊野の清水

 千葉県で唯一「名水百選」に入っている熊野の清水(ゆやのしみず)は房総半島の中央部に位置し、やや上部(北)にあります。「弘法の霊泉」として訪れる人が絶えないようです。

 熊野をどうして「ゆや」と読ませているのか疑問でした。ここにきて由来の説明を読んで納得しました。歴史があるのですね。
 この地は、室町時代から鎌倉の鶴岡八幡宮の社領で直営の湯治場として栄えたことが「鶴岡事書日記」というものに記録があるそうです。そのため「湯谷(ゆや)」とよばれていたとのこと。

 全国にある弘法伝説のとおり、ここでも水不足を法力で清水を湧き出させたことから土地の人たちは「弘法の霊泉」とここを呼んでいます。また、弘法大師への遺徳をたたえ、この崖の上にある「龍動寺」に坐像を祭っていると、案内にありました。ただ、気になるのが「飲用の際は沸かしてください」という注意書きでした。

熊野の清水の場所(地図)

◆住所:千葉県 長南町市野々


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◆大釜・小釜の湧水

 千葉市の緑区に、越智はなみずき台団地があります。団地は南へ傾斜がくだっていて、下った先に団地の調整池を兼ねる「大藪池」があります。3方を丘陵に囲まれた池は、開けている一方が池の水を村田川へと流す地形になっています。この谷になっている大藪池の上流(谷津頭)に湧水があり、小さな湿地帯になって池の水源になっています。

 大藪池の「大釜・小釜」と呼ばれる二つの湧水は、谷津頭の湿地にあります。小さな田んぼが手前にありその先のヤブから水が流れてきていました。訪ねた時期が一月だったので水量が少なく、噴き出しているという状況ではありませんでした。通常は水量豊富で砂を噴き上げるほどと紹介されていますが。

周囲の丘陵に浸透した雨水が地表へ自噴している湧泉(わくせん)という種類だそうです。直径1m深さ1.5mほどの釜のなかで砂が吹き上げる、と案内されています。湧泉は千葉市ではほとんどが消滅し、ここは貴重なところだそうです。
 大藪池は、周囲約2.7kmで住民の散歩コースとなっています。

大釜・小釜のある場所(地図)

◆住所:千葉市緑区越智町


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生きた水の里 久留里

 君津市の久留里へ「銘水」を訪ねてみました。城下町と言われている久留里は、かつて戦国時代に房総半島を治める要衝の地であり、里見氏(義堯)が城を築いたそうです。その後江戸時代に次々と城主が代わり明治を迎え、城はなくなりましたが、昭和53年に天守閣が復元されました。この地は、町のいたるところに井戸を見かけます。「上総掘り」(明治時代に広まった)と呼ばれる技法で掘削された井戸で、くみ上げた水は現在も生活に利用されています。この地下から自噴する水が平成の「名水百選」に2008年選ばれています。街中に点在する井戸を見て回りました。

 街中にある井戸の中でも名水の誉れ高い「高澤の水」。久留里街道(国道410号)に面している

 ガイドマップを手に井戸を巡りました。右は、JR久留里駅前の広場南に観光交流センターがあり、その前の「水くみ場」です。平日のお昼時でしたがペットボトル、ポリタンクなどの容器を持参した方が水を汲みにやってきていました。自噴する水は、2段階の桶を流れ一段低くなった洗い場へ注いでいます。

 国道から東へ向かう道を進むと、脇へ入った所に小さな広場があります。四阿とベンチが併設されたその奥に「新町の井戸」と言われている水飲み場がありました。以前あった場所近くに新たに掘り抜き、作られたそうで、水飲み場として利用されています。流れ続く水を見ると勿体ないと思ってしまいます。

 右の写真のような金属の傘を被った井戸が道路際にあちらこちらで見られます。蛇口が付けられ、コップも用意されているものもあり、ほほえましい風景です。水道が普及した今、井戸の水をそのまま飲めるのは確かに「生きた水」をうたい文句にし、平成の名水百選に千葉県で唯一選ばれただけはありそうです。

久留里の湧き水の場所(地図)

◆住所:木更津市久留里地区